2011年10月23日

ウロコは保管しておきます

「はじめての芸術との出会い」事業3作品目、人形劇団ひぽぽたあむ『かえるくん かえるくん』の上演。今日は2歳~5歳が対象です。私はスタッフワークのお手伝いをちょこっとと、上演中の親子さんの様子観察、そして地元アーティストの研修会に参加しました。
動物をかたどったシンプルな人形たちが泣いたり笑ったり。見ている子どもたちも好反応。ただ終盤、子どもたちのぐずる声が目立ったシーンがあり、「上演時間が長すぎたのか? 今日の子どもたちは幼すぎて集中できないのか?」なんて思ってしまったのですが・・・。子どもたちは主人公のかえるくんが悲しい思いをしていることにいたたまれなくて、お母さんに助けを求めたり、このつらい状況を認めたくなくて違うことを話しはじめたりしたのですね。公演後のアーティスト研修でひぽぽたあむの永野むつみさんの話を聞いて、目から涙とウロコがボロボロ落ちました。子どもが集中して見ている様子や笑ったりすることが「良い反応」だと知らないうちに思いこんでいたようです。なんと表面的な見方しかできていなかったことか。でもお母さんの中には「子どもが飽きてぐずっちゃった。あそこは音楽を入れたり笑えるようにすればいいのに」と思う方もいるかもしれません。テレビの世界では、飽きさせないことが第一だから。そういうことではなくて、自分で考え、想像することが、生の舞台に接するだいご味。こういう経験をすべての子育て家庭に提供できる仕組みをつくらなければ、わざわざ足を運んでくれる親子さんとそうでない家庭の「格差」は広がるばかり。
永野さんのお話で「子育てに関わる大人が人形劇や絵本の感想を語り合う場が大切。自分が何に感動するのか、何を大切に思うのかを知る機会になるから。そのことが生きる軸になり、子どもをいつ叱るのか、ほめるのかを決める軸になる」とおっしゃったことも印象的。だから大人の芸術体験も大切なのですよね。今日、私が落としたウロコは大切に持ち帰って、ときどき取り出して眺めるようにしたいと思います。



Posted by アートサポートふくおか at 00:05│Comments(0)
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