2010年03月04日

仕切り直し

そして横浜。「芸術文化と教育をつなぐコーディネーター全国会議」。
ことの発端は、事業仕分けに怒り狂った私が、子どもの芸術体験の評価に関わるアクションを現場のコーディネーターが起こすべきではないかと考え、全国で活動するコーディネーター仲間に声をかけたこと。趣旨は、学校へのアーティスト派遣事業の意義を端的に示す数値や定性評価に一緒に取り組みませんか? ということだったのですが、今回の集まりは、文部科学省の新規事業「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験事業」について、文科省の担当者の方からご説明いただき、コーディネーターたちと意見交換を行うというテーマ&内容で開催されました。
この事業への関心は高く、それだけにもっと使い勝手のいい制度にしてほしい、という意見がたくさん出て、意義のある集まりでした。ただし、「評価」に関しては想像通り、それぞれの思いが重なり合う部分はあるものの、考え方の違いが大きいことも確認できたので、「みんなで取り組みましょう」というより、「私はこんなことを考えたんだけど、どう思う?」とアドバイスをもらうほうが得策だな、と思いました。自分なりに取り組めることを、仕切り直して考えてみます。
「児童生徒のコミュニケーション能力の・・・」について↓
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/commu/1289958.htm

応募の締め切りは3月5日(金)ですが、要項には間に合わない場合はご相談ください、と書いてあります。また、当初の募集で予算に余裕がある場合は追加募集の可能性があることも記載されています。  


Posted by アートサポートふくおか at 22:28Comments(0)

2010年03月04日

管理のなか、アートを求める

昨日、今日と東京・横浜へ。
東京は(財)地域創造主催のセミナー「広がるアウトリーチの可能性~文化・芸術と教育・福祉分野の連携について~」。芸術の魅力を伝え、そのファンを拡大する「アウトリーチ」ではなく、芸術がほかのジャンルのなかで有効に作用する現場が増えているわけで、これはもう「アウトリーチ」とはいえないのでは? 私は「コミュニティ・アート」だと思います。
事例のなかにあった特別養護老人ホームでの作曲家・野村誠さんの活動。入所しているご老人たちとの即興演奏や曲づくりの様子が上映されました。どうしても、先週、施設に入った我が父の姿と重ねてしまいます。楽しそうな様子のみなさん。でも、うちの父は例え野村誠さんが来られても、この種の活動には参加しないでしょう。こういうものを切実に求めている人たちがいる一方で、そんなことに触れたことも触れる気もなく拒絶する人もきっといるはず。事例の施設の苑長さんは、「施設は法律に従って運営しており、どうしても制度による『管理』のなかにある。管理されながら生きる・・・そのなかでアートとの出会いを求める部分があるのでは?」と語っておられました。お酒もたばこも禁止、お金もスタッフの方に預けなくてはいけなくて「何もない」とつぶやきながら、たばこを探して冷蔵庫やタンスを開け閉めしている父。この父の自由を確保してあげようとすれば、私は仕事を辞め、自分のことをすべてあきらめて24時間を父に捧げるしかないわけで・・・。ステキな事例の映像を、平静に見ることができませんでした。  


Posted by アートサポートふくおか at 22:14Comments(1)