2008年01月11日

芸術の売り方

お休みのはずでしたが、仕事の打合せの電話多数。少し本を読んだだけで、あんまりいつもと変わらない1日でした。
今、読んでいるのはジョアン・シェフ・バーンスタイン著「芸術の売り方 劇場を満員にするマーケティング」という本。私にとってはあんまり気持ちよくないタイトルですが、アートマネジメントを学ぶ者としては、これも大事なことと読んでいます。分厚いけれどやさしい本なので、読みやすいです。
おもしろかったのは、事例として紹介されていた、破傷風の予防注射を呼びかけるパンフのこと。大学生を対象に、破傷風の恐ろしさを訴え、予防注射について知らせるパンフを作成し、オソロシサの伝え方に差をつけたところ(例:大げさに書いて患者の写真も掲載したパンフと簡単にしかふれていないパンフ)、オソロシサを強調したパンフを読んだ学生は、破傷風の怖さに関する理解は進んだものの、実際に予防注射をした学生の割合はどのパンフを読んでも変わらなかったそうです。ところが、破傷風に関する記述は同じで、予防注射ができる大学の医療センターの場所を分かりやすく示し実施時間を記載したパンフを配付したら、接種率は格段に向上したとか。
つまり、劇場に足を運んでもらうためには、芸術作品のすばらしさを訴えることばかりが効果的とは限らない、ということですね。コンテンツが魅力的であって、それを伝えることはもちろん、内容に関わること以外のバリアを取り除かないといけないこともある、ということをわかりやすく知らせてくれる本です。
まだ読みかけなので、早く続きを読もう。



Posted by アートサポートふくおか at 22:01│Comments(0)
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