2010年03月15日

引き際

自宅の掃除をチャカチャカと済ませて、助成申請書類提出のために市の財団へ。その足で雑誌「フォーラム福岡」の取材を受けるために㈱プロジェクト福岡さんのオフィスへ。次号のテーマが「文化戦略」だということで取り上げていただけるのだそうです。アートサポートふくおかの活動や福岡の文化環境をどう見るか、などもろもろのお話をするうち、「へえ」と思ったのは、人材不足が目立つのは文化面だけでなく経済界も同様ではないか、という話題。長老・重鎮に続く世代で顔の見える存在がいないのでは?ということです。本来、そこは私たちの世代の役割ですよね。

帰路、父の施設に寄ると、ご機嫌ななめ。転倒しないようにと差し出した手を振り払われてしまいました。なんでも、親戚がお見舞いに来てくれて、お金を渡したとか。もちろん善意の行動なのですが、父はさっそくタバコを買いに外に出ようとして職員さんに見つかり「お預かりしますね~」ということに。今日も私に500円でいいから置いていけとシツコイこと。いったん手にしたものを失くしたせいか、苛立ちが大きいようです。でも、仮にお金を持って外へ出ていたらタクシーに乗って出かけ、帰れなくなって大さわぎだったでしょう。仕方ないです。

夕刻、テレビをつけていたら、「地震から5年を経た玄界島」という特集をやっていました。そう、福岡県西方沖地震から5年。アートサポートふくおかでも被災した玄界島の方々をアートで元気づけたいと、島に1つだけの小学校で学習発表会のお手伝いをしました。地震から3年間継続したのですが、特殊な事情のもとで始めた活動であったため、継続する意義について悩みが生じ、いったん区切りをつけることにしたのでした。テレビには懐かしい島の漁師さんたちの顔、大きくなった子どもたちの顔、見覚えのある人々が映っています。現在の学校での学習発表会の様子もチラリ。劇、うまいじゃないですか。太鼓もカッコいい。この子たちの成長ぶりをもっと長く見守りたかった、という思いとプロジェクトは引き際が肝心、という冷静な感覚と、両方がないまぜになって襲ってきました。  


Posted by アートサポートふくおか at 21:52Comments(0)