2009年07月04日

BEPPUの坂本さん

「連続講座2009 アートでつなぐ人とまち」の第3講。NPO法人BEPPU PROJECTの坂本倫子さんをお迎えして、BEPPU PROJECTの設立経緯からその活動内容、今年実施された「別府現代芸術フェスティバル2009 混浴温泉世界」のお話などをじっくりうかがいました。NPOの代表である山出淳也さんや混浴~の総合ディレクター・芹沢高志さんのように、よく知られた方ではなく、事務局を担った若い世代の代表として弱冠25歳の坂本さんにおいでいただき、アートNPOの活動に関わった経緯や実際のお仕事の様子までお聞きできたのは、我ながらいい企画です(ホレボレ)。
海外でアート活動をされていた山出さんが、別府でいくつものNPOが活動し、まちが活性化しているという報道を目にして、まちの可能性を感じて別府に戻られたのが2005年。国際芸術祭を開催することを目標に、もろもろの交流・展開の期間を経て、ついに今年、一大イベントを開催された、というお話は、混浴~の記者発表の場などで山出さんご自身が語っておられたことでもありけっこう知られているかもしれません。それに加えて、当時大学生だった坂本さんがBEPPU PROJECTの始動に、「なんにもないと思っていた別府のまちで、アートイベントが展開される!」と大きな可能性を感じてNPOの世界へ飛び込まれたというお話が大変おもしろく、それも、ボランティアからNPOの専従スタッフとして就職するなど、新たな世代の胎動を感じたことでした。
でも、講座終了後の懇親会で「自分が新卒でNPOに就職しといてナンですが、ウチは新人の教育係もいないし、今から新卒を採用するのは、ちょっと大変だと思います」というお話もあり、ご自身、社会人としての経験を手探りで積んでおられる最中のご苦労を感じました。
また、講座のなかのお話では、「アートでまちづくりをしているわけではない。アート活動が結果としてまちづくりに効果を上げることはある」という言葉が印象的でした。私は、アートと社会を、かなり社会寄りのスタンスでつなぐので、アート側にある方々との距離の取り方にはいつも留意をしています。とはいえ、アートと社会(または「まちづくり」)の間のどのあたりで「落とす」かは、いつも悩ましい問題。坂本さんのお話では、美しくなく快くもない作品について、行政等から「フェスティバルにふさわしくないので展示しないように」というお達しがあったにも関わらず、作者のメッセージを届けることにこだわったところ、作品を見たおばあちゃんが、メッセージをしっかり受け取って感想を言ってくれたというエピソードなども語られ、「アートがまちづくりのツールになってはいけない、とあらためて思った」と述べられていました。とても難しい問題なのですが、まちづくりがそこに住む人、働く人のまちへの見方が変わることから始まる場合が多いことを考えると、アートと社会のどっちに寄るか、というより、人の意識を変えるきっかけをどうつくるか、ということを原点にすべきなのかなぁ、などとボンヤリ思った夕べでした。

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Posted by アートサポートふくおか at 23:30│Comments(0)アートと地域
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