2012年10月29日

産み育てる

終日、北九州。「産み育てをみんなで考えるワークショップ」というプログラムを実施する北九州芸術劇場の担当者Mさんにヒアリング。この1,2年、芸術体験事業を子育て環境に組み込むことが有効かつ必要なんじゃないかと考えていますが、子育て中の方々は一方的に支援されるばかりでなくパワフルな市民でもありえるわけで、こういう方々を対象とした演劇ワークショップから子育て世代が担うまちづくり活動なんかが湧きあがってきたりするかも、と思い始めたところにこの事業に出会いました。事業企画の経緯などをうかがい、調査対象とさせていただけないか、打診。お話をうかがうなかでとっても興味深かったのは、「この業界(演劇系?劇場、あるいはアートマネジメント系?)の女性たちは結婚しない」という話。26歳のMさん、身近な女性で出産した人をほとんど知らないとか。そーなんだ。人口が減るわけだ。でも、まちに出れば結構子連れの人もいるし、私の周囲には3人目(夫婦2人で3人産めば拡大再生産)を産む人もそれなりにいるのに、業界による偏りはなぜ起こるのか。そういえば、別の文化ホールの館長さんが20代女性スタッフに「お前がシングルマザーになっても働き続けられる職場を俺はつくりたい」と言っていらしたのを思い出します。なぜシングルマザー?

ヒアリング後、音楽ボランティア団体「アコルデ」の皆さんと打合せ。2週間後に実施される講座で講師をお引き受けしています。メンバーのなかには子育て中の演奏家であり、音楽ボランティアの活動を行う方もおられ、単に忙しいから産み育てられないわけではないんだよなぁ。劇場法からの流れで、産み育てられる業界になったりしないかなぁ。
  


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2012年10月29日

養分

終日、佐世保。させぼ文化フォーラムに登壇。フォーラムの皮切りが今年度発足のジュニアオーケストラの初演奏会だったので、出演者のご家族を中心に大変な数のお客様が集まっていましたが、この方々は当然、演奏が終われば退席。適正規模の方々が残ってくださり、大澤寅雄さんによる基調講演と私がコーディネーターを務めるパネルディスカッションが行われました。はじめての基調講演とおっしゃる大澤さんですが、佐世保に関する入念な下調べをされている点や、文化を生態系で捉える考え方など勉強させていただきました。そしてジョークの入れ方も。ちょっと手帳にメモしておきますかな。
パネルディスカッションは、佐世保の文化の現在とこれからを考えるきっかけとするために、大澤さんと地元の文化関係者3名の皆さんと一緒に話を進めました。地方都市で文化活動が育つかどうか、そのキーワードとして出てきたのが「養分」。文化が育つ土壌に降り注ぐ光や水、そして吹き渡る風も含めて、佐世保には(あるいは〇〇市には)何があって何が足りないのか、整理するよすがができたように思います。
文化フォーラムは「させぼ文化ウィーク」のオープニングイベントでした。11月3日4日に演劇、音楽、美術、紙芝居など、あれこれ楽しめるオトクなイベントが集中して行われます。ぜひ。
http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/www/contents/1349829323730/index.html
  


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